鈍色アクアリウム

つまらない想いの水族館。

心配

昨日、彼との帰りの電車の中で、酔っ払いのおじさんに絡まれました。

わたしはああいう時にスルーするのがとても苦手で、ついなんとなくずっと相槌を打っていたら、横にいる彼がLINEで「あんまり相手にしない」と送ってきて。

そうこうしていたらおじさんが今度は彼に話しかけ始めて、そしたら彼が、「少し静かにしてもらえませんか?」ときっぱりおじさんに言って。

普段ほとんど怒らない彼の怒ったところを、たぶん初めて見ました。

わたしは人が、特に男の人が怒っている姿がこわくてこわくて仕方がありません。

だから昨日も彼のその姿を見て、もうおじさんより彼がこわくて。 逆上したらどうしよう…って思ったし…。

 

でもそういうこともなく、しばらくしておじさんは降りていきました。

彼のおかげで危ないことにもならず本当に良かったんですが、しばらく彼のことが本当にこわくて、おまけに家でのこわい思い出をたくさん思い出してしまって、もう動けなくなってしまって。

固まっているわたしに彼が、

「俺がいる時はいいけど、ああいう時は相手にしたらダメ」と真剣に言いました。

帰ってからも、「心配かけないで。今日はただの酔っ払いだったけど、本当に危ないんだよ」って強く抱きしめてくれました。

 

彼は普段からちょっと過保護なくらいわたしを心配します。

階段を2、3段上から飛び降りても「そんなところからジャンプして骨折でもしたらどうするの?危ないからダメ」って、ほんとに冗談とかじゃなく、真剣に叱るし、お風呂に連れていってくれた時も、わたしが水風呂と熱いお湯と交互に入っていたら気が遠くなったと笑ったら呆れ果てて「もう連れてこない…。」と言うし、道路を歩いていても、後ろから車が来ると、車道側のわたしと位置を交代して、自分が車道側を歩きます。

 

大切にされてるんだなぁ、と思いました。

ほんとにほんとに、血の繋がりもないわたしを、心いっぱいに大事にしてるんだなぁ、と。

彼は普段あまり好きって言ってくれないけど、彼がわたしを大切に思う気持ちは、わたしが思っているよりもぐんと深くて、途方も無いものなのかもしれない、と感じました。

 

わたしが「嫌われちゃうかも」とか「もう一緒にいられないかも」とか、「嫌われてもいい」とか言っている隣で、彼はいつも彼らしい誠実な態度でわたしを愛していたんだなぁと気付きました。

言葉には言霊があるから気を付けなきゃダメって誰よりも言っていたのに、嫌われるのも一緒にいられないこともこわくて、つい予防線を張ることに一生懸命になっていました。

 

朝起きて、彼とごろごろしている布団の中で、「君が自虐を言う数を数える前に、自分が『もう嫌われちゃうかもしれない』って言うのをやめようって思ったんだ」って言ったら、彼は微笑んで、ぎゅっと抱き寄せてくれました。

 

「そうだよ、それでいいんだよ」った言われた気がしました。

 

 

 

わたし